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はじかれ人の呟き

無職、独身、友達ナシ、低学歴、貧乏、障害アリ。社会からはじかれた男のブログ。

カテゴリー "ノスタルジー" の記事

日産村山工場の跡地に吹いていた風は冷たかった

旧五日市街道の砂川三番の信号を北へ5分ほど車で向かえばイオンモールが見えてくる。

そこが日産村山工場があった場所だ。

20年ほども前になるが、私がまだ問屋の営業マンだった頃よくその道を通っていた。

工場の周りには団地や商店街があり、かなりにぎわっていたが工場が無くなってからは町は衰退していった。

当然その近くにあった得意先も売り上げが下がっていき廃業した店もかなりあった。

廃業していった店も含め、その周辺の店の店主たちはカルロス・ゴーンについてみんな非難していた。

話しの中では店のお客で30代で家を建てて、子供もまだ小学校へも行っていない幼い子供がいる人がいて、これからどうしていこうかと悩んでいるという話もあった。

ある日得意先を訪問した時、日産をリストラされた人がお客でやってきて店主と話をはじめた。

その人は高校を卒業してからずっと村山工場で40年働いていたとの事だった。

近くに家を建ててまだローンが残っていると言っていた。

幸い子供はみな独立しているので、それだけはよかったとのことだ。

店主が「カルロス・ゴーンはひどいな!人情もくそもないね。人を何だと思ってるんだろうな」とお客を慰めるように言った。

お客は「しょうがないよ。誰かがやらなきゃいけなかったんだよ。日本人じゃできないからね」

「でもさ、ここら辺でも何人もリストラされて困っている人がいるよ。それにこの店だって売り上げが減ってこの先どうなるか分かんないよ」

そう言うとお客は、うつむき黙っていた。

やがて

「 ・・・ ・・・    日産が、  残ればいいんだよ。     」 小さい声でそう言っていた。

「潰れて無くなるよりかは残っていてくれていた方がいいんだよ。日産がね」

少し投げやりな感じのようにも聞こえた。

そう言うと買い物袋を右手に下げて帰って行った。

その客は後ろのシャツがだらしなくズボンからはみだしていて、吐く息が酒臭かった。

店主が言うにはその客はリストラされてからは毎日店にワンカップを数本買いに来ているそうだ。

「あの人は高校を卒業して長野から働きに来た人なんだよ。日産で働いている事をよく自慢していたよ。乗り継いできた車も全部日産車。生粋の日産信者だな。だから日産が無くなるなんてことは絶対あってはいけないんだよ」

「それじゃ。今回の事はかなりつらかったでしょうね」

「そうだね。可哀そうだが、少し哀れにも見えてくるな。君も気を付けたほうがいいかもな」

その店主とは親しかったので遠慮なく話ができたが、最後に言った言葉がその後役に立つことになった。

自分も愛社精神を持っていたので、店主の言葉の意味を考えてその後会社が潰れても大丈夫な心構えができた。


それからしばらくして工場が取り壊され、平地にならされた広大な跡地を見に行った。

そこは所々に雑草が生い茂っていて、戦場の跡といった感じだった。

季節は冬だったので風が強くて寒かったことを思い出す。


あの客の事が気になって店主に聞いてみたら、最近働き始めたと言っていた。

一安心できたが、その数年後には今度は自分が同じ思いをすることになってしまった。


私が働いていた会社が今どうなっているのかと気になり、先日見に行ってきた。

3階建ての事務所も無くなっていて平地が残されているだけになっていた。

やはりそこには、ただ風が吹いているだけだった。


ただ店主から言われた言葉だけが今も心に残っている。

「君も気を付けたほうがいいかもな」の続き

「社員は会社を守ろうとするが、会社は社員を守ろうなんて思っていないよ」

まさに身をもって体験した事だった。







☆彡    

遠い昔を懐かしむ



目の前の朽ち果てた建物は調理場だった。

かまどが6個あり、向かって左の一番奥でカレーを作った。

夏休みの前で半そで半ズボンから出た両腕両足が真っ黒だった。

河原でのキャンプは初めてで、嬉しくてはしゃいでいたことを思い出す。


もう40年以上も前の事なのに、昨日の様に感じてしまう。

あの時ふざけて乗ってしまったボートは今はない。

しばらく河原を歩いていたら、草むらの中で朽ちかけひっくり返っている木のボートを見つけた。

それがあの時のボートかは分からないが、妙に懐かしさを覚えじっくりと見てしまった。


あの頃仲が良かった友はもういない。

私より先に逝ってしまった。

まだ20代だった。




お昼を過ぎた頃から雨が降り始めた。

気持ちが落ち込んでしまった。


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河原を二人で走り回ったな。

あの時 




やっぱり、あそこへは行かないほうがいいかもしれない。



☆彡    

消えたおじさん ・・・ 


いつも行くスーパーでの話。

そこへは週に2回ほど行く、レジには1か月前から一人のおじさんがいた。

見習い中の名札を付けたおじさん。

年齢は自分と同じくらい。

珍しいというかおじさんがレジをしているのを初めてみた。

メガネをかけ少し小太りで、少し禿げていて色白のおじさん。

いつも顔をふせ、目を合わせようとせず小さな声を出していたおじさん。

レジのスピードが遅くて隣のベテラン女性パートさんに怒られていたおじさん。

先週から見なくなった。

自分も職が見つからなかった時、レジ打ちで応募しようとしたことがある。

だがその前に家電の販売員のパートが決まった。

もし決まっていなかったら、レジのおじさんになっていたのかもしれない。

どうしたのだろうと心配していたら、いつもいたレジには機械の支払い機が置いてあった。

もしかしたら ・・・・・


帰り際に振り返ってその支払い機を見たら、日の光を反射して冷たく光っていた。


自分を見下しているような光。


帰り際、あのレジだけは絶対に並ぶまいと思った。



☆彡