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はじかれ人の呟き

無職、独身、友達ナシ、低学歴、貧乏、障害アリ。社会からはじかれた男のブログ。

妬ましい・・・でも


オリンピックなんて興味がなかったが、こうも毎日テレビでやられるとつい見てしまう。
羽生結弦選手や小平選手が金メダルを取り、テレビをどのチャンネルに合わせてもやっている。
私もテレビの影響で興味を持ってしまい生でそれらの選手が出ていた競技を見てしまった。
確かに素晴らしい演技だったり、滑りをしていて心が躍り感動した。

見てよかったなと思った。
応援することによって楽しくなり、そして金メダルを取ったことで心からおめでとうとも言いたくもなった。
しかし、しばらく時間が経つと今度は、彼らの事がうらやましく、そして妬ましく思えてきてしまった。

あんなにみんなから応援されたり喜ばれたりして羨ましいと思ったのと、今の自分の現状と比較してしまったためだと思う。
彼らは金メダルを取るために4年間毎日練習に励み精進してきた。
それに比べ自分は、4年間ただぶらぶらしていて、ろくな仕事にもついていなかった。
目指すものもなく努力することすらなかった。
ただ時間に流されるだけの日々だった。
そして今だって大したことはしていない、内職生活だけだ。
でも職探しだけは、かなり頑張ったつもりなのだが、こうなってしまった。

この歳まで人を感動させるようなことはなかった。
何かに夢中になり努力したことはあったが、そんな事は誰も知らないし知ったところで誰も感動なんてしない。
ただの独りよがりだ。
なんか虚しい人生だったな!と思ってしまった。

せめて一つの仕事をずっとやり続けていられたら、それを誇りにもできただろうに、それすら許されなかった。
会社が潰れてはどうしようもなかったし、その後も同じ仕事には縁がなかったから仕方がない。

しばらくそんな事を考えていたのだが、羨ましいとか妬ましいとか思うのは、まだ何かオレにもできるはずだ!なんて気持ちが心のどこかにあるのでは?と思った。
そうでなければ、悔しさなんて現れないはずなのだ。

でも、もういい加減あきらめて人を純粋な気持ちのみで応援するだけだっていじゃないかとも思う。
そっちの方が気持ち的には楽な事は確かだ。
悔しい気持ちや妬みなど失くし、人と比べることなく生きていくのもいいのではないかと。
自分のスペックを素直に受け止めてそれなりに生きていく方がいい。
逆らわず流されずに!
今はそう思うようになった。

もう何年も前の話だが、帰りの電車の中で隣にいた二人のおじさんの会話を思い出した。
そのおじさんたちは、50代ぐらいでともにジャンパー姿だった。
仕事帰りで、大分疲れていたように見えた。
そして一人のおじさんが隣のおじさんに話しかけた。
「昨日のオリンピック見たか。すごかったな。メダル取ってよ。感動したよな」
その時は夏のオリンピックの最中だった。
そして話しかけられたもう一人のおじさんが答えた。
「そんなもの見てねえよ。人がメダルを取ろうが俺には関係ねえよ」
「そうか。良かったぜ。ワクワクさせられたよ」
そうすると話しかけられたおじさんがこう言った。
「おめーな!いくらワクワクしようが感動しようがよ、俺達には一銭も金は入ってこねえんだぜ。また明日も朝から立ちんぼするしかねえんだよ。まったくよ。オリンピックなんて俺達には関係ねえよ」
「まあ、それもそうだな。一銭にもなりゃしねえな。また明日も朝から立ちんぼだしな。でもよ、ただで感動できるんだぜ!それによ何故か元気が湧いてくるんだよ」
「お前はおめでたい奴だな」
「そうかい。でも良かったんだけどな」
それからは何一つ会話することはなかった。
会話から彼らが警備員であることが想像できた。

確かにいくら感動しようが何一つ手に入らないし、今の生活も良くはならない。
自分も当時まったく同じ考えだった。
しかし、今は少し違ってきた。
話しかけていたおじさんの気持ちが分かってきたからだ。
ただ見ているだけで感動させてもらっているのだ!
それに何故か不思議だが元気も勇気もわいてくる気がする。
そんな風にオリンピックは見るべきなんだと思った。

たとえそれが一瞬の幻だろうと記憶には残る。何かのきっかけにもなるかもしれない。
そんな事を考えていたら日が暮れてきた。

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