なんだか心が凍てついた
今日も朝から雨で、その上寒かったので、しまい込んだフリースを取り出して着た。
雨空で部屋も暗く、何もやる気が起きない。
気分も憂鬱だ。
寝転がっていたら、ふと昔営業車で通っていた道や店はどうなったかが気になり、さっそく起きてグーグルのストリートビューを見てみた。
そこは私が酒問屋の営業マン時代によく通っていた道で、毎朝9時に会社を出た後その道を車で通った。
画像で見てみたら12年前と少し変わっていて、通りに面した店がなくなっていたり新しくマンションやアパートなども建っていたが、ほぼ昔の面影を残していた。
懐かしい!と思わず口に出てしまった。
それから「あの店はどうなったかな」と思い、画像をそこへ走らせた。
そこは私の担当の店で、店主とは仲が良かった店だったので、朝会社を出ると必ずその店に寄って商品の紹介や世間話などをしていた。
しかし画像にはもうあの当時の店は写っていなかった。
店にはグレーのシャッターが閉まっていて、店の前にあったワンカップやジュースの販売機なども無くなっていて、もちろん店の看板もなかった。
もう少し詳しく見ようと店の横の画像を見た。
すると店横の奥の方に店主が乗っていた軽トラが無造作に前から突っ込まれているのが見えた。
そしてその軽トラの荷台にあった幌は外れていて、所々が破れていた。
車体も雨ざらしだったようで、泥や埃で汚れていて左の後ろタイヤもパンクしていた。
そして荷台には段ボールや壊れた電化製品などが乱雑に積まれていて、ナンバープレートも外されていたが、荷台の後ろにはまだ店の名前が入っていたので、それが店主の使っていた車だとわかった。
一気に心が凍てついた。
あの当時、店主はまだ40代前半で小学生の子供が3人いて、元気で明るく気持ちも誠実な人だったからいい付き合いができた数少ない店主の一人だった。
もう少し詳しく見ようと店の裏の道に回り画像を合わせた。
そこは店の空瓶置き場でビールを配達した後に空瓶を積んで帰るために寄る場所だった。
私はその横に立っている電燈の画像をアップにした。
そこには私がその店を担当し始めた時、今から25年前に貼ったシールがあるはず。
焦る気持ちを抑えてアップになった画像に見入った。
あった。
電燈の柱の真ん中に貼ったシール。
しかしそのシールは上下が剥がれかけ、赤かった色もあせて、かすかに「万」の文字だけが見えていた。
あの当時、唯一気の合った店主だったので本当に商売がうまくいってほしいと思い、その電燈に貼った物だった。
そのシールには「千客万来」と書かれていた。
剥がれかけ色あせたシール
思わずじっと見入ってしまった。
あれから、私の会社が潰れた後どうなったのだろう。
私が最後の挨拶をしに行った時、本気で心配してくれた店主はどうなったのだろう。
心配になってしまった。
なんとか新しく仕事を見つけて幸せに暮らしていればいいのだが。
一通り見終わって窓の外を眺めて、暗くなった気持ちを少しでも晴らそうとしたが、あの店の軽トラがずっと頭に浮かんできてしまった。
「千客万来」のシールにも、より一層気持ちを重くさせられてしまった。
雨空で部屋も暗く、何もやる気が起きない。
気分も憂鬱だ。
寝転がっていたら、ふと昔営業車で通っていた道や店はどうなったかが気になり、さっそく起きてグーグルのストリートビューを見てみた。
そこは私が酒問屋の営業マン時代によく通っていた道で、毎朝9時に会社を出た後その道を車で通った。
画像で見てみたら12年前と少し変わっていて、通りに面した店がなくなっていたり新しくマンションやアパートなども建っていたが、ほぼ昔の面影を残していた。
懐かしい!と思わず口に出てしまった。
それから「あの店はどうなったかな」と思い、画像をそこへ走らせた。
そこは私の担当の店で、店主とは仲が良かった店だったので、朝会社を出ると必ずその店に寄って商品の紹介や世間話などをしていた。
しかし画像にはもうあの当時の店は写っていなかった。
店にはグレーのシャッターが閉まっていて、店の前にあったワンカップやジュースの販売機なども無くなっていて、もちろん店の看板もなかった。
もう少し詳しく見ようと店の横の画像を見た。
すると店横の奥の方に店主が乗っていた軽トラが無造作に前から突っ込まれているのが見えた。
そしてその軽トラの荷台にあった幌は外れていて、所々が破れていた。
車体も雨ざらしだったようで、泥や埃で汚れていて左の後ろタイヤもパンクしていた。
そして荷台には段ボールや壊れた電化製品などが乱雑に積まれていて、ナンバープレートも外されていたが、荷台の後ろにはまだ店の名前が入っていたので、それが店主の使っていた車だとわかった。
一気に心が凍てついた。
あの当時、店主はまだ40代前半で小学生の子供が3人いて、元気で明るく気持ちも誠実な人だったからいい付き合いができた数少ない店主の一人だった。
もう少し詳しく見ようと店の裏の道に回り画像を合わせた。
そこは店の空瓶置き場でビールを配達した後に空瓶を積んで帰るために寄る場所だった。
私はその横に立っている電燈の画像をアップにした。
そこには私がその店を担当し始めた時、今から25年前に貼ったシールがあるはず。
焦る気持ちを抑えてアップになった画像に見入った。
あった。
電燈の柱の真ん中に貼ったシール。
しかしそのシールは上下が剥がれかけ、赤かった色もあせて、かすかに「万」の文字だけが見えていた。
あの当時、唯一気の合った店主だったので本当に商売がうまくいってほしいと思い、その電燈に貼った物だった。
そのシールには「千客万来」と書かれていた。
剥がれかけ色あせたシール
思わずじっと見入ってしまった。
あれから、私の会社が潰れた後どうなったのだろう。
私が最後の挨拶をしに行った時、本気で心配してくれた店主はどうなったのだろう。
心配になってしまった。
なんとか新しく仕事を見つけて幸せに暮らしていればいいのだが。
一通り見終わって窓の外を眺めて、暗くなった気持ちを少しでも晴らそうとしたが、あの店の軽トラがずっと頭に浮かんできてしまった。
「千客万来」のシールにも、より一層気持ちを重くさせられてしまった。
☆彡